SFの夜


福島正実
日本のSFの普及の功労者。
小松左京星新一などに比べて知名度は低いがこの人がいなければその後の日本のSFの隆盛はなかった。
残念なことに若くしてお亡くなりになってしまった。
その彼の短編集の表題作『SFの夜』
日本のSFの終焉をかなり正確に予言している。
つまり、インチキしそうにかぶれた若者たちが
月古一、大松右京などを拉致監禁して、未来の思想社会主義に従わないくだらないSFを書く連中は許せンとばかりに、糾弾、自己批判を求めるが、年老いた彼らは黙っているだけという短編。
巽何とかとかが現れて、一般読者はしらけてSFからはなれていった、そして、小松や星や筒井はSFを書かなくなった状況に酷似している。
まだ、SFが日本においては普及の黎明期にあった時にか書かれたものである。
ああ、福島さんはよく見ていたんだんだなぁ。
日本におけるSFに対する愛情が良くわかる。
ジャック・フィニーの『盗まれた町』の翻訳
日本SF映画史上不朽の名作『マタンゴ』の脚本
そして、われらのバイブル『SF入門』の作者。