欲望という名の電車


ピーター・ジャクソン監督の『キング・コング』が話題になっている。
ニュース映像のナオミ・ワッツを見ていて
ギラーミン版の『キングコング』でスクリーンデビューを果たした
ジェシカ・ラングを想起し、
それで、BSで放送された時録画したTVM『欲望という名の電車』を思い出し
また見た。
ダイアン・レインアレック・ボールドウィンジョン・グッドマン
錚々たるキャスティングである。
そうすると当然、思いはエリア・カザン監督の『欲望という名の電車』に遡る。
たまたま見てしまったアカデミー賞の授賞式。
エリア・カザンの受賞に対し会場の映画人の反応は冷たかった。
スタンディングオベーションが礼儀であるはずなのにスッポンかます連中を見ていて
激しく幻滅を感じてしまった。
この人達は映画よりも、
ちっぽけな思想信条のほうが大切なのだろうか。
映画はプロパガンダの道具じゃない。
そんなことなら、映画なんかやめちまえ。
扇動屋でも運動家でも何にでもなりたまえ。
映画史に残る名作の数々をものした監督に対するこれが礼儀なのだろうか。
他人の裏切りをとやかく言う前に
自分たちが映画を裏切っていることに気付け。