郵政民営化

昔々あるところで、郵政民営化されました。
民営化されると、みんなで考えて郵便貯金を運用して利益を出さなければならなくなりました。さあ大変です。
でも、誰もやり方がわかりませんでした。
困っていると、タイミングを計ったように都合よく、アメリカやイギリスの会社から運用させてくれといってきました。
その人たちは、うちに任せれば、絶対に損はさせませんとさわやかな笑顔でいいました。
それまで、みんなは利権に預かろうと平身低頭、コメツキバッタのように言いなりに動いてくれる人たちとしか仕事をしたことが無かったので、今回も、黙って任せればすべては向こうがうまくやってくれるだろうと、丸投げで任せました。
貯金を預けている人たちは表面上何も変わらないので運用の内容がどう変わったのかは知りませんし、興味もわきませんでした。
時は流れました。
郵便貯金はすべて、外国の良くわからない会社が握っていました。
はじめは、運用実績が上がって、みんなは大喜びしました。
でも、そのうちにだんだんと実績が悪くなりました。
みんなはだまされたと怒りました。これは大変だすぐに資金を引き上げようと誰かが言いました。でも今、資金を引き上げるともともとあったお金よりお金が少なくなってしまいます。これは責任問題です。でも、みんな責任を取るのを嫌がりました。そこで、事実は内緒にしておいて、実績が回復するまで待つことにしました。
待てど暮らせど、実績は多少の上下はあっても、悪くなる一方です。
気がつくと、国民の郵便貯金はすっかりなくなっていました。
こうなると、もう、外国の言いなりになるしかありませんでした。
白髪で長髪の神経質そうな顔の日本人と外国の人たちが楽しそうに話しています。外国の人がいかにもうれしそうに話しているのが聞こえます。
「うまく行ったな、黄色い猿が金なんか持っても、バナナ買うくらいのもんだ、俺たちが有効に使ってやるよ。」